成人男性の約3人に1人がAGA(男性型脱毛症)
を発症すると言われています。
また、AGAは遺伝が関わっている
ことも医学的にわかっています。
AGAに関する遺伝子は現在複数個わかっており、
そのひとつとして、DHTと結びついて
毛母細胞(髪をつくる細胞)の働きを
阻害する「男性ホルモン受容体」の感受性の高さ、
つまりどれくらいDHTと結びつきやすい
性質であるか、を決める遺伝子です。
ではこの遺伝を持つ方は
必ずAGAが発症するのでしょうか?
結論から申し上げますと、答えは『NO』です。
AGAの遺伝子を持っていると将来的に
発症する確率は高まるのですが、
家族にAGAの人がいても、諦める必要はありません。
AGAは環境要因や生活習慣など様々な
要素によって発症する病気なので、1個の
遺伝子情報だけではAGAのリスクはあっても
必ずしも発症するとは限りません。
今回はAGAの予防についてご説明致します。
【生活習慣を見直すことがAGA予防の基礎です】
遺伝意外に他の要因ではどういったものがあるのでしょうか。
遺伝以外としては主に、食事や睡眠、ストレス、
さらにはお酒やタバコといった
生活習慣がAGAの発症に影響していると考えられています。
これらの要因は遺伝とは違って、
いずれも自分の力で改善することが可能なものです。
つまり、毎日の生活の中、これらの要因
を見直すことで、遺伝的にAGAになりやすい
体質であったとしても発症を防げる可能性が
十分にあるということになります。
具体的なAGA予防法は、次の通りです。
⚪︎食生活を見直す
毎日の食事に含まれる栄養によって
体調が変わっていくのと同様に、
髪や頭皮環境も食事によって変わっていきます。
髪に含まれる成分で最も主要な成分は、
「ケラチン」です。ケラチンとは、
食事から摂取したたんぱく質が、いったん
アミノ酸に分解された後に再合成される
ことによってできるたんぱく質の一種です。
このように、たんぱく質は髪にとって欠かせないものです。
そのため、食事でたんぱく質を十分に摂取しないと、
健康な髪が育たなくなってしまいます。
たんぱく質は、魚・肉・卵・豆製品に多く
含まれていますので、これらを毎回の
食事に取り入れるようにしましょう。
ただし、肉でたんぱく質をとろうと
する際には注意が必要です。肉は、たんぱく質
だけでなく、動物性脂肪も多く含んでいます。
動物性脂肪をとりすぎると高コレステロール血症
などの疾患のリスクも高くなります。
すると血液の流れが悪くなり、血液が栄養分を
十分に頭皮まで運ぶことができなくなる可能性があります。
そのほか、アミノ酸からケラチンが
合成されるのをサポートする役割を
果たす「亜鉛」や「ビタミンB6」もたんぱく質と
一緒に摂取する必要があります。
亜鉛を多く含む食品には、昔から
髪にいいと言われるわかめなどの海藻類や、
ごま、アーモンドなどがあります。
また、ビタミンB6は肉や魚に多く含まれる
ほか、野菜ではにんにくに多く含まれています。
AGAを予防するために、食事でこれらの
栄養素を十分に補給しましょう。
ただし、特定の食品をたくさん食べればA
GA予防になるということではなく、
健康な髪をつくるためには
栄養バランスのよい食事をとることが大切です。
○睡眠時間を見直す
2つめの予防法は、睡眠時間の見直しです。
髪の成長には、体の成長と同じように
「成長ホルモン」の働きが影響しています。
成長ホルモンは主に眠っている間に分泌されるため、
髪を成長させてAGAを防ぐに
は十分な睡眠時間が必要なのです。
また、さらに効果を上げるには
睡眠の質にもこだわってみましょう。
成長ホルモンは特に、深い眠りである
「ノンレム睡眠」の状態のときに分泌されます。
深い眠りにつくためには、いくつか
気を付けたい点があります。
まず、寝る直前の食事は避けましょう。
胃の中に食べ物が入っていると体は寝ている間も
消化活動続けるため、質の良い睡眠がとれません。
さらに、寝る直前のテレビやパソコン、携帯電話
といった神経に刺激を与えるものの使用もNGです。
寝る前には軽くストレッチをするなどして、
リラックスした状態で寝るようにしましょう。
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